相続解決事例

後妻と前妻の子どもの遺産分割協議で、遺言書の下書きを事実上のよりどころとして、後妻(依頼者)に有利な遺産分割協議が成立

被相続人はお医者様で、主な遺産は自宅であるタワーマンションと有価証券と預貯金でした。家族構成からして遺言書を作成した方がよいことは前々からわかっていたようでしたが、突然死に近い形で亡くなったため、正式な遺言書はありません。

後妻が葬儀後に机の引き出しから遺言書の下書きのようなものが書かれた手帳を見つけましたが、インターネットで調べたら法的効力はないと知り、「一から前妻の子どもと協議をしなければならない・・」と溜息をついていました。

双方に代理人がついた状態で遺産分割協議を進め、その中で上記手帳を提示したところ、前妻の子どもの譲歩を得ることができ、自宅の取得を含め、依頼者である後妻が満足するような遺産分割協議を成立させることができました。

本来は法的効力のない遺言書の下書きですが、それでも前妻の子どもを動かすことができたのは、上記手帳の中に、遺産の分け方だけではなく、なぜそのように分けたいのかという被相続人の「思い」も書かれていたのがポイントだったと思います。

主張できそうなことはとりあえず何でも相手方に主張してみるというのも、交渉の秘訣です。

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