医師資格を持つ後継者がいない場合の対応
近年、少子化や価値観の多様化も相まって、相続人に後継者となる医師資格を持つ方がいない病院・クリニックも増えています。
しかし、病院・クリニックは高齢化社会である日本において、社会的にも大きな役割を果たしており、事業承継を行っていくことは大切なことです。
そこで、近年注目され始めているのが、第三者承継(M&A)です。M&Aによって、病院・クリニックを経営している医師に、医業を引き継いでもらうというケースは年々増えています。
M&Aを行うとき際のポイントは、M&Aを考え始めた場合、なるべく早い段階からM&Aの専門家に相談し、譲渡する病院・クリニックを選定し、譲渡価格や職員の雇用について検討をしておく必要があります。また、統合後も病院・クリニック経営をスムーズにすることができるよう、組織風土や文化の、業務プロセスの整理も行っておくことが望ましいと言えます。
一方、過疎化が進んでいる地域においては、病院・クリニックに買い手が現れないというケースも考えられます。このとき考える方法が、廃業(廃院)です。
廃業を考える場合は、事前に医療施設の廃棄や転用、職員の雇用の問題などを検討しておく必要があります。資金流出や税金問題も発生することが予測されますので、廃業を考えるにあたっては、きちんと専門家と廃業に向けた戦略を検討した上で、老後に不安が残らないような対応を行いましょう。