病院・クリニックの事業承継
日本は超高齢化社会を迎えており、今や終活や生前対策(相続対策)は一般的なライフイベントになってきています。
これは企業経営でも同じことで、日本全体で380万社あると言われる中小企業では、2030年までに実に240万社の経営者が70代になると予測されており、早急な事業承継対策が求められています。
病院・クリニックにおいても同様で、厚生労働省の平成26年医師・歯科医師・薬剤師調査によると、病院に従事する60代以上の医師の割合は、2014年で16.1%に高まってきています。また、診療所(クリニック)に従事する60代以上医師の割合では、実に44.5%となっており、対象となる診療所(クリニック)では、早期な事業承継対策が必要です。
特に、診療所(クリニック)の事業承継の場合、経営者とオーナーが同一であることが多く、医業承継と院長先生個人の相続対策は切っても切り離せない関係にあります。そのため、診療所(クリニック)の事業承継においては、医業承継と院長先生の個人の相続対策を同時に考えなければなりません。
しかし、医業承継と相続対策を同時に考える場合には、事前に対処しておかなければならない課題があります。
病院・クリニックの事業承継における課題の一例
- 病院の不動産に対する相続税対策
- 病院の不動産の遺産分割の方法
- 出資持分に対する相続税対策
- 医業承継人と相続人が別だった場合の相続人への説明 など
特に課題になりやすいのが、相続税対策と、遺産分割に関するトラブルです。
このような課題への対応方法としては、下記のような対策を検討しておくと良いでしょう。
病院・クリニックの事業承継におけるポイント
- ①後継者である相続人が病院経営に関する全財産を相続する
- ②後継者である相続人の納税資金を確保する
- ③後継者以外の相続人が納得する相続財産(遺留分)を用意する
また、病院・クリニックの事業承継には、以下のような方法が考えられます。
病院・クリニックにおける主な事業承継の方法
- ①相続人への承継
- ②第三者承継(M&A)
- ③廃業(廃院)
事業承継の進め方も、病院・クリニックごとに適したものを選択しなければなりません。
病院・クリニックの事業承継は、非常に複雑ではありますが、当事務所では、相続問題に詳しい弁護士が、先生方の状況を鑑みた上で、税理士その他の専門家のご紹介も含め、最適な医業承継・相続対策の進め方をご提案させていただいています。
些細なことでもお悩みになられていることがありましたら、まずはお気軽にお問合せ下さい。